目次
チャレンジ1年生は簡単すぎるので6月号を最後に終了することに
保育園の年中さんの頃から取り始めたベネッセの「こどもちゃれんじ」では、進捗管理は一切やっていませんでした。毎月パッケージが届くたびに「わーい」と広げ、ワークをやったりエデュトイで遊んだり、すごろくやったり。
一転、小学生になれば添削課題の赤ペン先生もあるし、今度はしっかりやっていこうと。iPadで出来る無制限スモールステップ方式の「チャレンジイングリッシュ」も込み込みで含まれているし。
ところが蓋を開けてみれば、あまりに簡単なワークの内容にびっくり。これで月3000円相当・・・。
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コロナ禍による休校早々に考えたこと「ベネッセのチャレンジって簡単すぎない?」
2020年春、楽しかった6年間の保育園生活を終え、娘は小学生になりました。 しかし小学校入学早々に、コロナ禍によって休校となり、入学式を終えた翌日からいきなり家庭で過ごすことに。 おとうつい先日まで保 ...
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Learning Outcomes(学習成果)とLearning Experience(学習体験)はどこがちがう?
目次1 あまりにも簡単すぎるチャレンジ1年生に対してフツフツと湧き上がる疑問2 入学早々のコロナ禍による休校中の過ごし方3 そろタッチによるたしかな学習成果(Learning Outcomes)とは? ...
しばらく様子を見ていましたが、休校期間中の4月は算数と国語のワークをすべて仕上げ、赤ペン先生も提出。理科の実験っぽいワークもこなし、テキストをコンプリート。
付属の読み物もすべて読み、まぁまぁ上手く使えたかなと思います。
しかし5月からは一気にペースダウン。ワークは半分もやらず、赤ペン先生だけをやってポイントを欲しがる始末。
5月号の内容も簡単で、算数は数を数えて、数字を並べるだけ。国語はひらがなを書くだけ…
言うね~。
同時期にやっているそろタッチと比べたらはるかに簡単です。チャレンジは頭をまったく使わず、単なる「作業」になってしまっています。
結局6月号をもってチャレンジ1年生(&考える力プラス講座)は止めることに。
努力賞ポイントを貯めて景品は欲しいので、赤ペン先生の課題だけはこなしてすべて提出しました。
チャレンジの終了後も、ベネッセのアカウント自体は残り、ポイントもずっと有効ですし、再開すれば同じアカウントにまたポイントを貯められます。
チャレンジ1年生でLearning Outcomesが伸びるわけではない!?
チャレンジ一年生のメインテキストは、1日に1項目ずつ、算数と国語のワークを進める形になっています。
年長さんの頃に届いた予告編DVDでも「まーいにちチャレンジこくごとさんすう、さーいごに赤ペン♪」という歌が流れていましたね。
しかしワークの中身をよく見てみると、学校の教科書の内容を1日単位の課題に細かく分割して、今どきのビジュアルたくさんの学校教科書にキャラクターによる演出を付け加えただけの、内容の薄いテキストでしかありません。
収録されている問題らしきものも教科書の例題レベルに過ぎません。要するに教科書の内容をもう一回(ビジュアルを増やしたテキストに変更して)やり直しているにすぎないのです。
- 教材のカラフルなビジュアル
- テキストのあちこちで躍動するキャラクター「コラショ」と「キッズ」
- やったよシール
- サブ端末「チャレンジスタートナビ」
- 添削問題を提出すればもらえるポイントと景品
上記のような仕掛けの数々も、すべて「親しみやすさ」「とっつきやすさ」というLearning Experience(LX:学習体験)を向上させるだけで、Learning Outcomesの向上に直接寄与するものではないのです。
でもよく見ると、このような仕掛けはチャレンジの学習内容に一切関係ありません。
チャレンジの学習内容は、教科書を分割して薄めただけであり、学校の教科書以上のLearning Outcomesなど望むべくもないのです。
簡単すぎるチャレンジ1年生はどうやって使うべきか?
学校よりも劣った環境下で、学校教科書より乏しい学習効果だが
ベネッセのチャレンジは昔から認知度がとても高く、娘が通っていた保育園でも「とりあえず何かやらせておくか」ということで、利用者はそれなりに多かったです。
小学生になってからも、そのまま紙のコースの「チャレンジ」や、タブレットを使う「チャレンジタッチ」に移行するわけです。
チャレンジのワークは非常に簡単なもので、学校の教科書と同じレベルなのは前述のとおり。
学校のように、先生のレクチャーや問いかけ、子供たちの発話や対話のようなコミュニケーションとの相乗効果がない分、学校の教科書よりも学びの定着度は劣るかもしれません。
学校の教科書並みに簡単で、学校のようなコミュニケーションのない環境で利用し、学校よりも乏しいLearning Outcomes…それがベネッセのチャレンジです。
※ただし現在は学校でもコロナ禍によりマスクを着用し、発話やグループ活動が控えられがちになるなど、せっかくの教室のポテンシャルが十分発揮されていない感があります。
ベネッセのチャレンジは「誰でも積める成功体験」
このように根本的な存在価値に疑問符がつきかねないチャレンジですが、この圧倒的なワークの簡単さこそが、実はチャレンジの一番の武器です。
当該学年向けの通信教育の中で日本一簡単と思われるチャレンジは、「課題をこなせる人が日本で最も多い」教育サービスといえるでしょう。
子供が育つにあたっての自己肯定感や成功体験の大切さについては、ここであらためて詳しくは述べません。
いろいろな成功体験の積み方がありますが、チャレンジの簡単なワークをサクサクこなせることも、手近な一つの成功体験です。
昨日のワークは簡単だった。今日のワークも簡単。次の日のワークも簡単。その次の日のワークも・・・。そして仕上げに赤ペン先生を投函し、先生に褒めてもらう一連の流れ。
チャレンジには勉強を教えてくれる先生はいませんが、保護者向けの冊子には、ワークの課題の意図や、丸付けをするときの子供への声掛けの例まで書いてあるという、まさに至れり尽くせり。
チャレンジだけで「超簡単なプチ学校と、その中での成功体験」が家庭の中で完結できてしまうのでした。
チャレンジの価値は「誰でも」「必ず」「成功体験を積める」ことにあります。チャレンジのワークが簡単な問題ばかりだからこそ成り立ちます。
一方、中学受験を考えている人の間で、難度の高い教材の定番として有名なのが「ハイレベ」「最レベ」と呼ばれるドリルたち。
だからといって親の気持ちばかりが先行し、本人の実力が追い付いていないのにいきなり難しすぎるドリルをやらせたら、子供は一気に勉強への意欲そのものを失いかねません。
まだ成熟度が低くて幼い小学生低学年には、とにもかくにもまず「自分の力で出来ます感」が必要でしょう。
とっつきやすく親しみやすく、簡単に問題を解けるというLearning Experienceによって家庭学習での成功体験を積めるところが、ベネッセのチャレンジのコアな価値だといえます。
とりあえず机に向かう習慣が出来ればそれでチャレンジの目的は達成
学習内容の薄さはさておき、チャレンジを使うことによって達成できることはシンプルです。
誰でも必ず成功体験を積めることがまず1つ。
その成功体験を積ませるためには、必然的に、子供を1日15分ほど机に向かわせることになるでしょう。
やっているワークの中身は大したことありませんが、これをきっかけに、とりあえず毎日机に向かわせるツールとしては使えます。
いくらワークが簡単だと言っても、ワークを自分からやらせることまで自動的に実現するわけではありません。
子供にとって(歯磨きやトイレと同じように)やって当たり前の習慣として定着するまでの間、親としても毎日・毎回、粘り強く子供を方向付ける必要があります。
まだ成熟度の低い低学年の子が、自分から自然と机に向かうようになるなどという過度な期待をしてはいけません。
しかしいったん習慣として(学校の宿題以外に)机に向かうことができるようになれば、一気に可能性が広がります。
机の上でする教材はチャレンジに限らず、今は市販のドリルにもすぐれた教材がたくさんあります。
公文ドリルや百ます計算のように基礎的なことを反復練習することで定着を図るものから、ハイレベや最レベのように読解力や思考力が高い子向けの問題集まで、用途や子供の学力に応じて選び放題です。
簡単すぎるチャレンジを卒業し、いずれ他の教材にスイッチするまでの準備としてチャレンジを利用するのは、大いにありではないでしょうか。
Learning Outcomesを伸ばしたいなら他の教材は必須
チャレンジのワークは簡単すぎて、学校の教科書以上のLearning Outcomesを望むことは出来ません。
無料オプションの追加ドリルや、有料オプションの「考える力・プラス講座」も付けられますが(「考える力~」は単独受講も可)、本当に考えさせるのが目的であれば、市販のドリルの方が選択肢は広いです。
チャレンジを入口にして、勉強の習慣づけだけではなくLearning Outcomesそのものを伸ばしたいときは、チャレンジ以外の教材は必須です。
保育園・幼稚園の年齢の頃は「何か勉強っぽいことが出来ればいいかな?」程度の意識で「とりあえず」チャレンジを取っていた場合でも、小学生に上がって真剣にLearning Outcomesを伸ばしたいと思うなら、惰性でチャレンジを続けるのではなく、今一度の見直しが必要でしょう。
チャレンジでは、学校の教科書以上のLearning Outcomesは得られません。
この認識を出発点に、他のドリルへと手を広げ、家庭で取り組む課題をチャレンジから市販ドリルに移行した後に、チャレンジを卒業してもいいのではないでしょうか。
何せチャレンジは毎月3000円かかるのが大きいです。しかも学年が上がるごとに月額は上がっていきます。
それだけの予算があれば、もっとLearning Outcomesの向上につながる市販の良質な教材をたくさん買い込めます。
とっつきやすいチャレンジで机に向かう習慣が定着した後に、市販ドリルに移行することを念頭におきながら、チャレンジに取り組むとよいのではないでしょうか。
- チャレンジの学習成果(Learning Outcomes)は、学校の授業と教科書に劣る
- チャレンジは、誰でも簡単に成功体験を積めるのがポイント
- 学習成果の向上ではなく「机に向かって勉強する習慣づけ」さえ出来ればOK!
- 実際に成績を向上させるためには、市販ドリルの併用は欠かせない
まとめ
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