そろタッチ

そろタッチ挫折の危機!何度もぶつかる学習の壁と暗算能力の習得に到らないケース

そろタッチやめる

子供にそろタッチを与えれば自動的に暗算能力が身に付くわけではない

Learning Outcomes(学習成果)の観点で見ると、なかなかすぐれたEdTechであるそろタッチ。

ICT機器の力を活かし、リアルそろばん教室では果たせないような、初学者の成長曲線の立ち上がりの早さは特筆ものです。

Learning OutcomesとLearning Experience
Learning Outcomes(学習成果)とLearning Experience(学習体験)はどこがちがう?

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そろばん少女
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そろタッチ公式ムービーのスーパーキッズたちを見ていると、夢が膨らみます。

創業者の著書を読むと、もっともっと夢が膨らんでいきます。

おとう
「うちの子も、もしかしたらこうなるのかな?」って・・・

そのようなイメージを抱きながら日々取り組むのは大事なことですが…現実は厳しいです。

そうそうウマい話ばかりではありません。

たしかにそろばんの運珠に戸惑うことなく低年齢(5歳~)の子でもとっつきやすいです。

iPadで簡単にゲーム感覚で取り組めるのがそろタッチの特徴です。初学者から見たLearning Experienceがとてもすぐれています。

とっつきやすさを頼りにしながら毎日取り組むことによって、約2年という短期間で暗算能力を習得できるというのがそろタッチの宣伝文句です。

ただしそれはあくまで「続けることができれば」ということです。

とっつきやすいそろタッチアプリを与えさえすれば、自動的に子供が進んで取り組んでくれるとはかぎらないのでした。

おとう
現実は厳しかった・・・

娘は、負けん気や「ナニクソ精神」は決して強い方ではありません。他人との勝負事も好みません。いちばん好きな家での活動は工作やお絵描きです。プリンセスやお城やパーティーや食べ物の絵を毎日熱心に描いています。

オセロで負けると「もう一回!もう一回やって!」と闘志を燃やすタイプでもありません。

負けると「あーもうやだ~~」と言って後ろにひっくり返り、再戦を断固拒否するタイプです。

しかしトランプの神経衰弱では(4枚取りではなく2枚取りなら)、すでにおとうやおかあよりも強く、「もう一回!もう一回やって!」とせがんできます。

おとう
数多くの細かい成功体験が必要なタイプだと思います。

そのような娘が幾度となく遭遇した(そして今もしょっちゅうぶつかっている)そろタッチ挫折の危機についてご紹介します。

おとう
そろタッチのスーパーキッズたちの動画を見て夢を膨らませつつ、現実に起こりうることを…

次々と襲い掛かって来るそろタッチ挫折の危機の例(n=1、うちの娘の場合)

ざっと挙げるだけでも、これだけの危機があります(現在進行形)。

  1. 右手左手を両方使う運指に慣れずミスタッチ連発
  2. 時間内に正解できず馬鹿にされているような演出(と感じる)
  3. 本人への定着度以上にステージの方が早く進んでしまい、何度やってもミッションをクリアできない
  4. ミッション選択画面の国旗に飽きた
  5. スモールステップと呼ぶにはスモールではないステップの高さ
おとう
よくもまあこれだけたくさんの罠に引っかかるものだと思います…

【挫折の危機1】右手左手を両方使う運指に慣れずミスタッチ連発

そろタッチは、右手・左手の親指と人差し指の計4本の指を使います。

1桁の計算で済んでいるうちは利き手である右手しか使わないので、運指にまごつくことはありませんでした。

iPadの画面上の珠に触れて、珠を点灯させたり消灯させたりするだけという簡単さ。

さすが、伝統的そろばんの運珠の難しさを初めから排除したそろタッチです。

しかし2桁の計算が始まり、右手だけでなく、左手の親指と人差し指も使うようになってから、本当の答えが分かっているのに、左手の指でのタッチが不完全で正解判定されず、誤答扱いになってしまうことが激増しました。

おとう
そろタッチのJ2ステージの中盤を過ぎたあたりのことです。

左手で画面をタッチする指の圧が足りず、指と液晶の接触面が小さすぎて、タッチされたと判定されないのです。

横でよく見ていると、左手の指の爪の端だけが液晶画面にカチッと当たっていたり、楕円形の珠よりも外側を押しているのが分かります。

そろタッチを始める前は、娘はタブレットの画面に指で触って操作するという体験自体が皆無だったことも影響しているかもしれません。

おとう
うちで初めてタブレット(iPad)を買ったのは、そろタッチを始める1か月前のことでした。

自分が答えを分かっていて、そこにタッチしたつもりなのにミスタッチ判定されてしまうのは、娘としては納得感がありません。

このあまりにも不条理な仕打ちに娘は大爆発し、そろタッチ自体をやりたがらなくなってしまいました。

むすめ
あーもうなんで私答えを分かっていてタッチしているのに間違いになっちゃうわけ!!

結局は本人がツールに慣れるしかないのですが、このままでは学習が先に進みません。

そろタッチのサポートに相談しました。

本人が操作に慣れる前にステージが先に進んで難しくなってしまうのは困るので、進捗状況の確認画面の見た目は変えずに、出題されるミッションをJ2ステージの中盤から、ステージ最初の問題まで巻き戻すという提案を受け、そのように裏側で処理してもらいました。

また、うまく行かずにグズっているとき、そろタッチが初月無料なのを生かし、おとう自身も自分のアカウントを取得し、無料期間1か月の間そろタッチに取り組みました。

「iPadを親子で奪い合う」という構図を人為的に作ることで、娘の目を「iPad=そろタッチ」に向けさせることに成功(当時はそろタッチ以外のアプリを追加する前)。

こうして十分にタッチに慣れてから、J2とJ3ステージをクリア出来たのでした。

おとう
そろタッチのネット生が初月無料で本当に助かりました。

無料期間中にチェックしておきたい懸念事項を確認して対策できますし、子供が最初の壁にぶつかったら、親も自分のアカウントを作って無料期間のうちに一緒に取り組んで伴走するのは大いにアリです。

【挫折の危機2】時間内に正解できず馬鹿にされているような演出(と感じる)

そろタッチ序盤は、5問1セットの課題をこなし、10個強の課題をクリアするとそのミッション自体がクリア扱いとなるシステムです。

5問のうち2問まちがえるとアウト。5問解けても、解いている間に制限時間を過ぎてしまったらやはりアウトでやり直しとなります。

課題をクリアすると、そろタッチのマスコット「カールくん」が祝福してくれますが、課題クリアに失敗すると、もう一人のマスコット「トーレちゃん」が「残念だったね」という雰囲気でなぐさめてくれます。

この演出が娘は気に入らないというのです。

トーレちゃんが「残念だったね」という感じで出てくると、自分が馬鹿にされていると感じるのだそうです。

むすめ
あーも~~~トーレちゃんが残念でしたブッブー!っていう感じなの本当に嫌だ。がんばってね!とかやさしく励ましてほしい。私もうそろタッチやりたくない。

ほとんど言いがかりのような異議申し立てですが、実際に娘がそう感じたという事実はどうにもこうにも変えられません。

演出の出来がどうこうというより、一発クリアできなかったことに対する娘の耐久力が低いのだと思います。

おとう
こんなことで腹を立てるの?というようなポイントで爆発します。こんなところで引っかかってほしくない…

【挫折の危機3】本人への定着度以上にステージの方が早く進んでしまい、何度やってもミッションをクリアできない

2桁同士の計算で繰り上がりが始まるJ8ステージでのことです。

そろばん・そろタッチの繰り上がりの考え方は、学校の筆算方式の「下の位で10のかたまりを作って上の位に繰り上げる」方法とは異なり、先に上の位から計算を済ませていきます。

2桁同士の計算になると、4本の指を総動員して複数の操作を一気に済ませないといけないので、それまでの1桁+1桁や2桁+1桁の繰り上がりよりもさらに難しいのです。

そろタッチは、本人の正解率などを裏で自動解析して、ステージクリアに必要なミッションクリアとしてカウントするかどうかを判定し、ステージを進めるかどうかもアプリの自動判定で行っています。

その結果、本人の定着度がまだ不十分なのに、ステージの難度の方が先に上がってしまい、ミッションについて行けなくなってしまうことがあるのです。

本人の能力をフルに発揮してもなかなか制限時間内にクリア出来なかったり、5問1セットの課題で2問まちがえたり(2問間違えた時点で即終了)、なかなか一筋縄にはいきませんでした。

それまでは毎日1ミッションは必ずクリアするというペースだったのに、J8ステージではそれもかなわず、ミッション攻略はひとまず脇におき、弱点を集中強化するために、そろタッチアプリ内の「ゲーム」に取り組み、繰り上がりへの習熟が必要でした。

ミッションをクリアし続けるという大通りからいったん外れ、ゲームで強化するという脇道に入るような取り組みは、必ずしもモチベーションが上がるものではありません。

おとう
横で親が見て、どこでつまずいているかを把握し、必要な手を打つ必要がありました。

どうにかJ8ステージをクリアしてJ9ステージに上がると、今度は2桁同士の繰り下がりのある引き算で、再び同じ壁にぶつかることになります。

【挫折の危機4】ミッション選択画面の国旗に飽きた

そろタッチは、1日1ミッション(できれば1日3ミッション)こなすことを奨めています。

そろタッチでミッションを選択する画面には、毎日日替わりで3種類の国旗が表示され、そのどれかを選んでミッションに取り組む形になっています。

国旗選択画面

おとう
どの国旗を選んでも、実際に行うミッションは同じです。

ミッションをクリアするとその国旗が国旗コレクションのページに追加され、子供のコレクター心をくすぐるというわけです。

何かのコンプリートを目指して取り組む仕組みは、子供向け教材でよく見られる演出です。

ところがこの国旗コレクション、一度取った国旗が再び登場することがあるのです。

そろタッチの全カリキュラムでクリアするべきミッションは1ステージあたり約30ミッション(正答率によって自動調整され、適宜伸縮)。

そろタッチのステージは、J1~12、S1~12、U1~12の計36ステージなので、30×36=1080ミッションというのが全ミッション数でしょうか。

国旗の種類は200種類弱なので、重複しないように表示するためには国旗の数が足りません。

なので、そろタッチのミッションを進めているうちに、すでにゲットし終わった国旗がまた出てくることが増えてきます。

これではコレクター心はまったく刺激されず、マンネリ化していきます。

国旗選択画面

上記の国旗の組み合わせでいうと、今日の国旗はすでに取ったものばかりです。右端のフォークのような「バルバドス」にいたってはすでに4回もゲット。

しょせん国旗はミッション選択のためのスイッチに過ぎないので、国旗でも何でもいいからとにかくそれを押して中のミッションにさっさと取り掛かってくれればいいのですが、娘はもうすっかり国旗には飽き飽きした模様。

むすめ
あーもう何でもう取り終わった国旗ばかり出てくるの~。つまんない。私、宝石とかそういうかわいいやつが欲しい~。

ステージの進捗具合を考えれば、もう初心者ではないのだから、国旗をそろえる云々から別なモチベーションにスイッチしてもらいたいところです。

しかし本人としてはあくまでコレクションはコレクションとして楽しみたいという…。

以前に取った国旗を再びクリアしても、国旗の右上の取得回数の数字が増えていくだけです。国旗が巨大化したり、メタリック調になってかっこよくなったりするわけでもなく、特に演出上の工夫はありません。

おとう
せめて国旗ではなく「今日の宝石」のように、見た目だけでも変えてくれればいいのですが…

この件にかぎらず、全般にそろタッチは「好戦的で競争好きでゲーム好きな男子」に向いているような演出が多いです。

日ごとに「ミッションをやった」「やっていない」が一目で分かる週間カレンダーのアイコンも、初期状態は「やっていない」を示すオバケマークです。

そろタッチおばけ

初学者がそろタッチをスタートしてまず出くわすのが、いきなりズラリ並んだネガティブなオバケマークです。オバケを見えなくするためには1週間かけて休まずミッションをクリアし続け、「カールくん」「カールキング」を続ける必要があります。

すべてカールくんに変わったら、今度はオバケが出ないように続けるのみです。

いきなりマイナス状態から始めるというネガティブさは「戦闘力の高い」子にはいいかもしれませんが・・・

おとう
そうでない子にとっては、ただ萎えるだけです。

初月無料期間のうちはオバケマークではなく、赤ちゃん状態のまだ小さいカールくん…「カールベビー」とかにしてほしいです。

そろタッチは、そろタッチ教室に通う子供たちの「ママたちの声で作られた」ことを売りにしています。

そしてそろタッチの直営教室の存在が「ユーザーの声」を開発に反映するにあたってのバイアスの元になっているかもしれません。

仮に、そろタッチの競合となる後発のサービスが現れ、大きくユーザー数を伸ばしていくとしたら・・・

それは、俊英たちの集う教室の声ではなく、ネットユーザーに特化した開発方針を徹底し、教室でのファシリテーションがないことを前提として開発されたアプリが登場したときでしょう。あらゆる子供のマインドセットを視野に入れた、そろタッチよりも低価格で「スタディサプリ(スタサプ)」のようなイメージで普及するパターンでしょうか。

スクーリングを前提としないスタサプの動画は、撮影にあたり並々ならぬ労力と予算が注がれています。

まさかそこまでやるか!ということをやってのける黒船が、暗算業界においても現れるかどうか。

暗算能力の習得へのニーズの高さや実需の大きさが見えてきたら、ありえる話ではないかと思います。

ブルーオーシャンはいつまでもブルーオーシャンであり続けることが出来るのでしょうか?暗算能力をめぐるEdTechの今後から、目が離せません。

【挫折の危機5】スモールステップと呼ぶにはスモールではないステップの高さ

そろタッチのステージを進めていると、前のステージよりも難度がいきなり上がったな?と思う箇所にしばしば出くわします。

そのようなステージでは「本当に理解できているの?」と疑いたくなるようなミスが続発し、正解率が一気に下がります。

Jステージは足し算と引き算、九九の暗唱だけなのでまだいいですが、Sステージに上がれば今度は割り算が始まるといいます。

小1の娘がそこまで挫折せずに到達したとき、また新たなステップを乗り越えられるかどうか。

スモールステップのミッションを繰り返すことで高みにたどりつくことが出来るというのは正論ですが、本人の力量によって、スモールステップがスモールではなく、はるか頭上までせりあがる壁のように感じられることもあるでしょう。

そろタッチでは、記録画面で、ステージ別の取り組み人数の実数をグラフで見ることが出来ます。

おとう
この仕組みは、とても良心的です!

そろタッチステージ別人数

ステージが上がるにつれ、どんどん人数が減っていることが分かります。

初月無料期間のあいだに到達できるステージでは人数がとても多く(J3~J4あたりまで)、その先は急激に人数が減っていきます。

そろタッチを始めたからといって必ずしも異能レベルの暗算能力をゲットできるとはかぎらず、「そろタッチをやってもやらなくてもどうせ身に付く程度の暗算力」で挫折してしまうことは十分にありえます。

他の習い事や家庭学習の取り組みと同様、家庭でどれだけのコミットの強さでそろタッチの練習をできるか。

そろタッチから得られるLearning Outcomesは、子供のキャラクターを熟知した家庭での取り組み方にかかっているのでした。

Learning OutcomesとLearning Experience
Learning Outcomes(学習成果)とLearning Experience(学習体験)はどこがちがう?

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